赤塚高仁ブログ

「水素分子はかなりすごい」

2017.07.25

 2017年6月に出版された、
東京大学の理学博士、深井有氏の著書
「水素分子はかなりすごい・生命科学と医療効果の最前線」
(光文社新書)から引用させていただきます。

 「最近は『水素水』がブームです。
水素水のメーカーが雨後の筍のように現れ、新聞・雑誌には広告があふれていて、
中には新聞紙面いっぱいを使った巨大広告もあります。
でも読んでみると、
『美容と健康に』とか『高齢化が進む中、生活習慣病対策に』とか、
たいしたことは書いていない。
 
 人気女優が『私も飲んでます。なくてはならないものです』などと言っているけど、
なぜなくてはならないものなのか、さっぱりわからない。
こんな宣伝に巨額の費用(新聞の全面広告は数千万円?)を投じても割に合う、
よほど儲かる商売なのに違いない。

 これでは多くの人から疑いの目で見られても仕方がないことと思われます。

でも水素水の広告が要領を得ないのは、それが『薬』として認可されておらず、
効能をうたうことが許されていないという事情もあるので、全く根拠がないというわけではないのです。

このブームは大澤郁朗(東京都健康長寿医療センター)・太田成男(日本医科大学)らのグループの論文が引き金になっています。
彼らはラットに水素ガスを吸わせると悪玉活性酸素が除去されることを発見して、水素ガスの生理作用と医療応用の研究に新たな道筋をつけたのです。
(中略)
またヒトについても多くの臨床プロジェクトが進められて、なかには目覚ましい結果が得られたものもあります。
特に注目されるのは、脳梗塞の後遺症やパーキンソン病などに対して明らかな効果が見られることです。
水素分子はヒトに新たな救いの手を差し伸べているようなのです。
ただし、
生理作用の由来はまだ十分に解明されておらず、そのため薬事法で薬として公認されるには至っていません。

 水素は人体の体重のかなりの部分を占めているというのに、
少しばかりの水素水を飲んだからと言って何の効果があるのかと思うかも知れませんが、
これは違います。

体内の水素はすべて化合物(水・タンパク質・脂肪・炭水化物など)として存在するのに対して、
ここで問題としているのは分子状水素(H2)なのです。
水素はその存在状態(結合状態)によって科学的性質が全く違います。
分子状の水素だけが体内に入ったときに独特な効果をもたらすのです。
 
残念なことに水素分子の医療効果についての膨大な研究結果はほとんど知られておらず、
医学の専門家の間でさえ水素分子の医療効果に懐疑的な人が少なくありません。
このような地道な研究の成果が水素水の誇大広告と混同されて正しく評価されないのはまことに残念なことです。
新しい医療の開拓に真剣に取り組んでいる研究者たちは、水素ブームに便乗して『水もの商売』をしている人たちとは全く別なので、
混同してはいけません。
(中略)

この本は、多くの宣伝本とは違い、
水素分子の科学と医学の現状をキチンと説明しようとする、現時点で唯一の一般向け解説書なのです。

40億年前、地球に生命が誕生したとき、生物は水中で水素を利用して生きていました。
その後、バクテリアによって酸素が作られ、それを利用するようになった生物が発展して地上に進出しました。
人類はその子孫として生物の長い進化の歴史を背負っているのです。
酸素呼吸をするために生物は新しい形質、機能を獲得しましたが、そのために脈々と受け継いできた、
『水素の時代』の記憶を急に失ってしまったとは考えにくく、どこかに保持しているに違いないと思われます。

 大澤・太田らがラットに水素ガスを吸わせたとき、
ラットは『水素の時代』にタイムスリップしたのではないか、
ヒトへの水素の生理作用は長いこと体内に眠っていた『水素の時代』の遠い記憶を呼び覚ましたのではないか、
と思われるのです。」(引用ここまで)

 読み進めるにつれ、今、水素の力があきらかにされてゆくことの意味を考えさせられるのです。
生命と水素の世界の奥深さを知らされています。

治療法としては、臨床実験の数が十分でないため、
今は「未常識」ですが、もうすぐヒトを救う「常識」となるでしょう。
生物が水素が分子として存在しない環境に暮らして20億年、
その生物が水素分子に接したときの反応は、想像をはるかに超えたものだったのです。

学ぶことは、生きること。
 水素のお風呂を私は使い続けようと、改めて思わされました。
もっと学び、確信を深めてゆきます。

 「水素分子はかなりすごい」 一読をおススメします。

 

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