赤塚高仁ブログ

ようこそ、この素晴らしき世界へ

2018.10.03

 59年前の2月27日、
私は、この世にやってきました。
父は、初めての子どもが生まれるというので、
仕事を休んで備えていたそうですが、
なかなか生まれないので、
家に帰って力道山のプロレスを見ていたら、
そのすきに生まれたのでした。

 やきもきしたり、
あれやこれや考えたり、
いろいろ準備したりしても、
いざ本番になるとちょっと間が抜けているのは、
この父の遺伝子を引き継いでいるからでしょう。

 60年近く生かしていただいていると、
いろんなことを経験させてもらうものです。
フジハラレディースクリニックの藤原紹生院長と出逢い、
広島の産婦人科に通うようになりました。
さすがに出産は経験できないけれど、
毎年産婦人科に、
100人以上の人を集めて講演させてもらうというのは、
私の人生でも特別な体験と言っていいでしょうか。

産婦人科というと、
男子立ち入り禁止という感覚がありましたが、
藤原院長とご縁をいただいて、
人間として知らなければならないことが、
お産の中にあるということを気づかされました。
聖書では、
アダムとイブが神の言いつけを守らずに、
知恵の木の実を食べた罪で、
エデンの園を追放されるわけですが、
その罰として男には労働の苦しみ、
女には男に仕え出産の苦しみを与える、とあります。
だから、出産はつらいものだという呪いのようなものがかけられているのです。
ところが、
日本の国士である藤原院長は、
「いいお産で、日本を幸せにする!」というのです。

クリニックでの講演会の前に、
ご自宅でお弁当をいただくのですが、
そのときに出産シーンのビデオを観るのが恒例となっています。
さすがに最初はご飯がのどを通らなくなってしまいました。
ノーカット無修正の出産シーン
その中のひとりの女性は自分でビデオカメラを持って、
出産する子どもを撮影しているのです。
ねじるようにして飛び出してくる赤ちゃん。
見てはならないものを見てしまった・・・
正直な感想。
でも、
何度か繰り返しみせていただいているうちに、
ふっと不思議な感覚にとらわれたのです。
それは、
自分がこの世にやって来た時の記憶と言ってもよいでしょうか。

母の胎内から出るのは怖かったけれど、
行かなければならない時がきた・・・

 狭い産道を通るのは少しきゅうくつだったけれど母と氣を合わせ、
そとに飛びだしました。
そこで最初に聞いたのは
「よぉこそ!」です。
どんな状況であったとしても、
生まれて初めて聞くのは「ウエルカム」です。
ああ、
そのことに気づかせてもらえたとき、
心の中にあったカタマリのようなものがあたたかく溶けて流れてゆきました。

 今はどんなに苦しくても、
生まれて来た時、世界は「よぉこそ!」と歓迎してくれたことを思い出しましょう。
この素晴らしい世界は、
私たちを歓迎してくれたのです。
だから、
「生まれてきてよかった」のです。

一番初めはオセロの白いコマ。
今、ここで
生きていることのなつかしさに胸が熱くなって、
生きててよかったと思えたら、
いまここに白いコマを置こう。
生まれてきてよかったと。
その間にどれだけ黒いコマがあっても、
すべて白にひっくり返る。

 だからこれでいいのだ!
生きててよかった。

日本に生まれてよかった!

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