赤塚高仁ブログ

人間の分際

2015.08.09

 大阪の講演会も熱く盛り上がりました。

やまとこころのキャンドルサービス、お一人お一人がまわりに広げてくださいます。
大声で、金切声をあげて、拳を振り上げて世直しを訴える人たち。
これで、世の中が良くなったためしがありません。
世直しの前に「余なおし」
私を立て直すことから、すべては始まるはずです。
 土曜日の名古屋も、日曜日の大阪も女性が立ち上げているプロジェクトチームが主催してくださいました。
女性性の時代といいますが、まさに産み、育てる温かな心で祖国日本を大切してゆきたいものです。
さて、今朝の新聞広告に曽野綾子さんの新刊が紹介されています。
「人間の分際」
・・・「やればできる」というのはとんでもない思い上がり。
努力でなしうることには限度があり、人間はその分際(身の程)を心得ない限り、
決して幸せには暮らせない。
 いわゆる、西洋型の成功哲学の真逆の本と言って良いでしょうか。
「思いは実現する」「夢実現の方法」「人には無限の可能性がある」・・・
そんな類の本が書店の棚を埋め尽くしています。
そんな中で、80余年にわたり真の日本人として生きてこられた曽野綾子さんが送るメッセージ。
見出しだけでも強烈なインパクトがありますし、その通りだと思います。
西洋型の成功哲学は「幸せのようなもの」に近づくことはできるようですが、
幸せとは無関係であることを日本人にはわかりますから。
自分のために生きる時、人は苦しくなります。
命は、誰かのために使うようにできているからです。
人に喜ばれる時、人間は幸せを感じるようプログラムされているように思えます。
だから、日本のご先祖様は「世のため、人のために働くんだ」と教えてきたのです。
第1章 人間には「分際」がある
・人間には変えられない運命がある
・生涯の勝ち負けは死ぬまでわからない
・そもそも人間は弱くて残酷で利己的である
・卑怯でない者はいない
・人生には祈るしかない時もある
第2章 人生の本当の意味は苦しみの中にある
・不幸のない家庭はない
・うまくいかないときは「別の道を行く運命だ」と考える
・人間は死の前日でも生き直せる
・生涯における幸福と不幸の量はたいてい同じ
第3章 人間関係の基本はぎくしゃくしたものである
・誤解されても堂々と生きる
・誰からも嫌われていない人は一人もいない
・他人を傷つけずに生きることはできない
・人脈を利用する人に、本当の人脈はできない
・子供は「親しい他人」と思った方がいい
・弱みをさらせば楽になる
第4章 大事なのは「見捨てない」ということ
・「許す」という行為は生きる目的になりうる
・愛ほど腐りやすいものはない
・愛は憎しみの変型である
第5章 幸せは凡庸の中にある
・「もっとほしい」という欲望が不幸を招く
・不幸を知らないと幸せの味もわからない
・諦めることも幸せの必要条件
・感謝することが多い人ほど幸せになる
第6章 一度きりの人生をおもしろく生きる
・「人並み」を追い求めると不幸になる
・話の面白い人は、人より多くの苦労をしている
・報復すると人生が台無しになる
・「流される」ことも一つの美学
第7章 老年ほど勇気を必要とするときはない
・老いと死がなければ人間は謙虚になれない
・誰でも人生の終盤は負け戦
・昨日できたことが今日できなくとも、静かに受け入れる
・人間の一生は苦しい孤独な戦いである・・・・
ふう・・一冊読み終えた感じです。
何が正しいと考えるのではなく、新しい視座が一つ生まれると、世界が広がります。
人生は、思っているほど悪くない。
そう思える今日は、とても幸せです。
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