赤塚高仁ブログ

消える昆虫を憂う

2013.12.08

 東大名誉教授・養老孟司さんが、ネオニコチノイド系の農薬について、こんなふうに書かれています。

 

  1900年代後半~2000年代前半にかけ、トンボ研究科の間で「アキアカネが激減している。このままでは絶滅するのではないか」との声が高まってきました。

原因は減少と軌を一に使用されてきた、ネオニコチノイド系農薬にあることが証明されました。

影響を受けたのはトンボやミツバチなどの昆虫にとどまらず、サンコウチョウ、オオヨシキリなどの昆虫食の野鳥なども急減しています。

稲作でネオニコチノイド系の農薬を用いると、成分は根から吸収され、食害する害虫の体内に蓄積され神経系に障害がおき、死に至る。

特定の害虫を狙い撃ちできる「夢の農薬」として90年代後半から使用量は増加し、2000年前後に急増しました。

・・・こんなメールをトンボ学会からいただいた。

わたし自身はその正否を判断する立場ではない。

しかし、問題は知っている。その先駆けとなったのは北半球におけるミツバチの減少である。

米国の養蜂業は蜂蜜の収穫を目的にしていない。

むしろ、受粉業である。特定の時期に要求のあった畑にミツバチの巣箱を運ぶ。

一日いくらでミツバチの日当をとる。

このミツバチが帰ってこない。 多い時は8割の巣箱がダメになったという。

農薬もその原因の一つとして疑われた。

 私は長年、昆虫を採集している。 この数十年で、全体として虫が減ったことは経験として疑いない。

かなりの山間地でも、田畑があると採集をする気にならない。

虫がいないことが分かっているからである。

しかし、最近は田畑に限らない。 いわゆる本当の山奥でも虫が少ない。

 今年、きわめて印象的だったことがある。

ラオスの宿の庭に宿の主人がキャベツ畑を作った。

ここにモンシロチョウが大発生した。

帰国後、私の地元の三浦半島で大きく広がったキャベツ畑をみた。

そこに一匹のモンシロチョウも飛んでいなかった。

これが、正しい世界のあり方であろうか。

 

  知ること、そして意識すること。

一人一人が気付き、変わってゆくとき、世界は変わるのだと思えます。

情報という名の「ノイズ」のなかから、ほんとうのことを知るためには、ワシらのアンテナが立っていなければ聞こえてきませんね。

心を静かにして、本当に大切なことは何か、と思う気持ちを大事にしたいものです。

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