赤塚高仁ブログ

赤塚さんとこの家は、おもしろい!

2014.08.23

 住宅設備機器を納めてくださっている会社の部長が、請求書を届けに来られました。

玄関先で、とても嬉しそうな笑顔で、

 「いや~ 赤塚さんとこの家は、おもしろい!」

とにかく、他の会社と何もかもが違うものですから、いろんな反応があるのですが、この部長は嬉しそうにこう仰いました。

 「女の人の目線で家を創っているのがよくわかります。

  どこの工務店さんも、モノを造っている感じなのですが、赤塚さんとこの家は、女性が喜ぶ暮らしを創ってるって感じですわ」

この部長、実に設備機器に詳しくて・・・もちろん、商品知識があるのは当然なのですが・・・それだけではなく、

その会社で買わない、お客様が支給される太陽熱の湯沸かし器などでも、わざわざそのメーカーに問い合わせて使い方を聞き、

お客様の使い勝手がよいように他の設備を工夫してくださいます。

 うちに来られるお客様は、徹底的に本を読み、図書館に通い、ecoに関する勉強をしっかりされておられます。

雨水を溜めるタンクから、トイレの水洗につなぎ、下水に関しては水道水を使わないとか、

お湯も、太陽熱で沸かし、ほとんど給湯器の燃料を使わずに生活できるシステムを考えるとか、とても面白いのは事実。

 そんな想いをもっておられるお方と、考え方を共有するためには、やはり 「絵」 が必要です。

設計事務所では、展開図という収納の棚などを描いた図面があるのですが、少しわかりづらい。

 赤塚建設では、「内観パース」を手書きで描いて、あたかも住んでいる状況がイメージできるように話を観てもらいます。

部長は、これも 「三重県でパースを手書きで描いている会社なんて他にありませんよ」と言ってくれます。

 

 私は、もともと住宅業界で営業をしてきたわけではありません。

瀬戸大橋や高知空港、高松空港、 トンネルやダム、 鳴門教育大学の福祉棟などを受注する営業でした。

大学を出たばかりの新入社員が、不思議な世界に入れてもらったものです。

三重に帰ってきても、量産ハウスメーカーの下請けをしていた父の会社を受け継ぐやいなや、そのハウスメーカーの傘下を飛び出し、

13区画の街づくりから始めました。

28区画の街、「シャロームタウン」は私の自慢の街です。

そのときから、ずっと一緒に歩いてきたデザイナーが、いまも一棟一棟 手書きでパースを描いてくれています。

そして、どうしてこんな風な間取りにしたのか、その物語を丁寧に説明してくれるのです。

その家を使う奥様は、心細やかな図面に感動してくださいます。

 もう一人のパートナーであるデザイナーは、横浜から新幹線で駆けつけてくれます。

マークスプリングという、飛行機からも見えるような美しいランドマークとなっている横浜の街並みをデザインした方です。

世界標準の住環境を描きだせる凄い感性のデザイナーです。

この二人が本物の中のホンモノである証拠に、これだけの実力があっても絶対に威張らないのです。

どこまでも低く低く、家庭の奥様が鍋をしまう引き出しまでしゃがみこんで、お客様との目線を合わしてくださいます。

ちょっと腕に自信のある設計家は、すぐ 「ここは、こうあるべきですよ」などと言って自分の考えを押し付け始めてしまいます。

 しっかり聞き、思っておられるイメージを目の前で絵に描いてみせる・・・ と 「そう!そう! それよ!!」と奥様は喜ばれます。

 

 考えてみればすぐわかることなのですが、ハウスメーカーが無料でプランするのはコンピュータを営業マンが操って作図するから。

早いし、上手に見えますもの。

とても敵いません。

でも、その世界に満足できず、探し求めてくださったファミリーとの出逢いほど嬉しいものはありません。

と、言うよりほとんどの皆さんが、まずはメーカーさんを訪ねるのですから、アカツカに出会ってくださるなんて奇蹟です。

 

 先日は、着工間近でお出会いいただいた御夫妻とお嬢さんが、工務店さんをお連れになってわが社にお越しになりました。

県外の方でしたから、わが社での施工は難しいことから、断熱や自然素材に関する考え方をお話しし、

実際に建っている家を観ていただきました。

住まわれる方は、心から受け入れてくださいましたが、工務店さんがずっとなぜできないかを説明されました。

お金の問題、職人がいない・・・ なによりも、奥様と視線を合わせることができないということがわかりました。

 いえ、批判でも悪口でもありません、 これが普通だということがようやくわかってきたからです。

赤塚さんとこの家は、普通ではないのです。

 

 請求書を届けてくれた部長は、三重県中、数えきれない工務店と取引をしている中で、教えてくれた事実です。

驕ってはいけないけど、誇ってよいと思えました。

でも、もっともっとマネしてくれる工務店が増えたらいいのにねぇ。

お施主様は幸せになり、街は美しくなり、自然に優しく、日本が良くなるのですから。

 

 

 

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