国を守るということ
29歳の一月、スイスのチューリッヒに一泊しました。
初めて訪ねるイスラエルへの乗り換えのためでした。
スイス航空の飛行機は、モスクワ経由、アンカレッジで給油。
とにかく時間がかかりました。
あれほど長く飛行機に・・・いや、乗り物に乗ったことはありませんでした。
アンカレッジでの出発時間待ちの時、糸川先生にうどんをご馳走していただいたのが良い思い出です。
「一度食べておきなさい、
世界で最も不味く、高いうどんを」
袋に入ったうどんを取り出して、
湯がきもせずカップに詰め、生ぬるい出汁をかけておしまい。
それで2000円近くしたと思います。
ありありと覚えています。
ずいぶん緊張していた覚えがありますね。
ひとりぼっちで参加した糸川先生のツアー、参加者7名。
糸川先生の講義を14日間ずっと聞かせていただいたわけですから、贅沢なことではありませんか。
私の人生を根っこから変えてくれた、2週間だったと言えましょうか。
スイスでは、チューリッヒの市内観光をしました。
レマン湖のほとりの空気がとても澄んでいたことを思い出します。
スイスは美しい国です。
そして誰もが知っているように、
スイスは「永世中立国」です。
そんなスイスが、国民皆兵です。
国民を守るためのシェルターは、国民数に対して100%であり、
シェルターには1か月分の食糧を備蓄することが義務付けられているのです。
シェルターが国民数に対して100%の国は、あとイスラエルだけです。
ちなみに、我が日本国では0.02%
避難するところはありません。
他国のミサイルが、自国の上空を通過した・・・
有識者たちは、
「たかが上空を通過しただけで騒ぎ過ぎだ」とコメントしていました。
イスラエルでは、この状況を「戦争」と呼びます。
必ず報復します。
29年前、美しいチューリッヒの町を走りながら、
祖国を守るということを、生まれて初めて考えさせられました。
大好きな、大切な、私の国 日本がいつまでも続きますようにと祈らずにはいられません。