赤塚高仁ブログ

八町ヨベルタウン

2016.06.11

  姿を現したヨベルタウンの前にたたずむと、

「ありがたいなぁ」

「おかげさまだなぁ」という気が湧きあがってきます。

素直になっているからなのかなぁとも考えるのだけれど、
 どうも、そういうものでもないようです。

  「じぶんひとりの無力感」を知るからかも知れません。
 街を造る、家を建てる、なんて偉そうに言っていますが、ひとりでやっているようで、
 まったくひとりの仕事じゃないわけで・・・

ずっと信じて待って下さっている地主さま、

床板一枚一枚丁寧に貼ってくれた大工さん、

壁を塗り上げてくれた左官屋の親子、

サッシのほこりまで拭いてくれた掃除屋さん・・・

そして、土日に駐在して、来場のお客様を案内してくれるわが社のスタッフ・・・

 

「美しい街を創りたい」

 

30代の初め、米国シアトルのベルビューを歩いた時、衝動的に思わされました。

どんなに郊外の安い土地を仕入れたとしても、

土地を取得するためのコストが建築費を圧迫します。

最後の仕上げにかける少しの違いが、大きな差となっていつまでも悔いを残します。

その解消のためには、土地を買わずに家を建てる、

 

「所有」から「使用」へ

 

 新しく生まれた定期借地権という法律による、夢の創造以外ない!

土地を残すために活用したい地主さまと、豊かな人生を送るための住環境を手に入れたいユーザー様のマッチング。

前例のない仕事に取り組んで、やがて20年になろうとしています。

津の街に多くの定借の家を作って参りました。

 

 一軒でもまちづくりだと思っています。

でも、2棟からはコミニュティが生まれます。

同じ価値観の隣人と暮らすことは、目に見えない財産だと私は考えます。

 

「豊かな時間を手に入れる」という価値観を共有できる隣人と暮らす町。

これがどれほどの値打ちだろうかと私は思うのです。

目には見えないけれど、そんな祈りを込めて生まれたヨベルタウンの前に立つと、

ぐっとくるのです。

年をとるほどに、自分の無力を感じる機会が、どんどん増えて重なっていく気がします。

 もちろん、なにもしなければ、無力感はないでしょう。
 でも、言うだけ考えるだけじゃなく、なにかするから、なにかしら背負うからこそ、
 「うわぁ、なんて無力なんだ」と知ることになるのだと思えます。

  そうすると、いろんな人の、それなりの助けに、
 いちいち「ありがとう」と思うようになるのかも知れません。
 
そして、 孤独感とか、無力感とか、ちゃんと出合えるのは、
 とてもいい人生なのかもしれないと、思う日曜の朝なのです。

 

今日もオープンしていますから見学に来てください。

赤塚建設創業以来57年の集大成です。

 

 

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