赤塚高仁ブログ

右脳と左脳

2014.05.16

  糸川英夫博士が脳梗塞で倒れられたときのことです。

医師が、右脳の機能が停止していますから安静にして、点滴で様子をみましょうと状態を教えて下さいました。
言語中枢がやられて、話せないとも言われました。
信州の病院でした。
糸川先生は、意識が戻らず眠っていました。
すると突然はっきりした声で、講演の準備をしなさい、椅子を並べなさい、と英語で言われたのです。 寝言ですよ。
しばらく英語の講演があって、また眠りにつかれました。
  ああ、そうか
英語は左脳に、日本語は右脳に入っているのだ、と知らされました。
日本語というのは、世界でも珍しい母音言語で、本来左脳と右脳で機能分化している右脳の働きの一部を左脳でまとめて機能させているそうです。 
理性的働きをしている左脳に情動的働きもしてもらっているから、情動と理性の分離が非常にむつかしいようです。
欧米人なら、感情的には虫の好かない人間でも仕事の仲間としては割りきれるというような行動も、日本人には理解不能ですね。
日本人は、好きにならないと人間関係でも仲良くなれないし、いわんや仲間としての仕事の効率も上がりません。
仕事も趣味も「好き」にならないと上達しないようです。
左脳的な思考は、論理的、ロジカル。
それに対して、右脳の働きは脱論理的。

  どうやら日本人というか、日本語で幼児期を過ごしたワシらは、世界でも珍しい種族のようです。
左脳人種には雑音でしかない虫の声を、風流と感じたりします。
和を尊び、争うのが嫌いです。
ケンカや交渉がヘタなのも日本人の特性で、格差を好まないし、保守的です。
おめでたいほどお人好しでもあります。
原爆2発も落とされ、罪もない一般市民を無差別に大量殺戮されても、その相手の国と仲良くできる民族です。
ユダヤ人は、ナチスの残党を地の果てまで探し、見つけるとイスラエルに連れて来て、死刑にします。今でも。
戦争放棄や軍隊を持たないという変な憲法を受け入れ、改正もしません。
いまでも憲法改正反対という人が多くいる、不思議な国です。

  だから、というか、しかし、というべきか
間違いなく日本は、世界第二位の経済大国であり、豊かで、きれいな国です。
おもてなしの心があり、親切です。
競争や喧嘩が嫌いで和が好き。

  日本人であること、右脳の働きを知ること、そして、日本語を大切にすること。
改めてしみじみ噛みしめる朝です。
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