赤塚高仁 物語

18.エコハウスへの転換

「健康」「エコ」「自然素材」「美しいデザイン」・・・いくつものキーワードは浮かんでくるのだが、それを統合するすべがない。
そんなある日、NHKでスペシャル番組があった。
「エコをデザインする」、コロラドはロッキーマウンテンの山中に究極のエコハウスを建て、そこを研究所としているエネルギー学者エイモリーロビンス博士である。
博士に会って、直接話を聞きたい。
連絡を取ったら、2時間とるから会いに来なさいとのこと。
私は、アメリカに飛んでゆき、ロッキー山脈の中にある博士のECOハウスを訪ねた。
雪が積っていた。
マイナス40℃の環境で暖房を使わずに過ごせる省エネハウスの中には、バナナが実っていた。
30数年前に建てられた、その建物にも驚かされましたが、エイモリー氏自身が持つエネルギーに圧倒された。
そして、博士は、私の手を握りこう言ったのだ。
「大切なのは、原子力や黒くてどろどろした液体のことではなく、いかに冷たいビールを飲んで幸せに過ごせるかということです」と。
人類や地球という規模ではなく、まずはひとりひとりが省エネによって豊かに生きることが大切だというエイモリー博士に共感を覚えた。
活力あふれる毎日を送るために、まず必要なことは「健康」と考え、身体に害があるような工業製品は使用せず、無垢の木材や自然の素材などにこだわることにした。

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