赤塚高仁ブログ

皮なめしシモンの家

2017.10.01

 新約聖書「使徒行伝」9章から10章にかけて

「ペテロは、皮なめしシモンという人の家に泊まり、しばらくの間ヨッパに滞在した。
さて、カイザリアにコルネリオという名の人がいた。
イタリヤ隊と呼ばれた部隊の百卒長で、信心深く、家族一同と共に神を敬い、
民に数々の施しをなし、絶えず神に祈りをしていた。

 ある日の午後3時頃、神の使いが彼のところに来て
「コルネリオよ」と呼ぶのを、幻ではっきり見た。
彼は御使いを見つめていたが、恐ろしくなって、
「主よ、なんでございますか」と言った。
すると御使いが言った。
「あなたの祈りや施しは神の御前にとどいて、おぼえられている。
ついては今、ヨッパに人をやって、ペテロと呼ばれるシモンという人を招きなさい。
この人は、海辺に家を持つ皮なめしシモンという者の客となっている」
このお告げをした御使いが立ち去った後、コルネリオは、僕ふたりと、部下の中で、
信心深い兵卒一人とを呼び、いっさいのことを説明して聞かせ、ヨッパへ送り出した」

アブラハムに神様が声をかけ、神様からの一方的な無条件の契約が始まり、
アブラハムの子孫がユダヤ民族として栄えてゆきます。
神様との聖なる約束であるユダヤの律法を記した旧約聖書から、
神の子イエスが地上に送られ、福音が全世界に広がってゆく新しい聖なる約束、新約聖書へ。

イエスが33歳で、十字架上で殺され、
三日後に復活したあと弟子たちに聖霊が降臨します。
聖霊とは、創造主のエネルギーであり、
聖霊が注がれる時、
人は霊的人類として次元上昇し、エゴを超えて新しい命を生き始めます。
これは「成長」ではなく「変容」です。

ユダヤ人にやってきた神様の福音が、異邦人に伝わる歴史的な場面、
それがテルアビブ郊外のヨッパ(ヤッフォ)で2000年前に起きました。

神様は、イエスの一番弟子ペテロに幻を見せました。
旧約聖書の中でユダヤ人が食べてはいけないものが入った大きな布が降りてきて、
それを食べろと命じます。
これは一体どういうことだろうと、ペテロが悩んでいると、先に書いたコルネリオの部下たち3人がやってきます。
ペテロは、彼らと共にカイザリアに出かけてゆくのですが、
集まっている人々に話し始めたら、イエスの弟子たちに降ったのと同様に聖霊が降臨したのです。

キリストは、知識や情報ではありません。
キリストは「聖霊の愛」です。
この「聖霊」こそ、聖書の秘密なのです。

 その異邦人伝道のきっかけとなった「皮なめしシモンの家」
テルアビブから歩いて行ってきました。
ヨム・キプール(贖罪の日)でしたから、すべての店という店は休み、
タクシーも走らず、道路に車はほとんど走っていません。
片道5キロほどの道のりを、バラさんといろんな話をしながら歩きました。
人生の大切なこと、たくさん話しました。

寝る時以外4日間バラさんと二人きりという状況は、
まさに人生の整理整頓。
聖書の理解も驚異的に深まっています。
ペテロが歩いたところを、実際に歩きながら、
足の裏で聖書を読むのですから。

 さすがに往復10キロを歩くとくたびれます。
でも、使徒行伝がサクサク伝わる喜びは、
我が魂を潤わせ、命の泉からエネルギーを湧き上がらせます。

「神は人をかたよりみない方で、
神を敬い義を行うものはどの国民でも受け入れて下さることが、
本当によくわかってきました。
あなたがたは、神がすべての者の主なるイエス・キリストによって
平和の福音を宣べ伝えて、イスラエルの子らにお送りくださったみ言葉をご存知でしょう。
神はナザレのイエスに聖霊と力とを注がれました。
わたしたちは、イエスがなさったすべてのことの証人であります。
人々はこのイエスを木にかけてころしたのです。
しかし、神はイエスを3日目によみがえらせ、わたしたち証人に
あらわれるようにしてくださいました。
イエスを信じる者はことごとく、
その名によって罪の赦しが受けられると、あかしをしています。」

 ペテロがこれらの言葉をまだ語り終えないうちに、
それを聞いていたみんなの人たちに、聖霊が降った。
(使徒行伝10章)

 2000年前にイスラエルで生まれたひとりのユダヤ人が、世界の歴史を変えました。
神との新しい契約、新約聖書の世界はキリスト教という宗教の枠を超えて、
万国民に宣べ伝えられてゆくものなのだなぁと思わされます。
そして、
イエスの教えは、世界で一番日本人にわかるものだと感じます。
なぜなら、彼は大和魂のサムライと同じユダヤ魂の愛国者だからです。

 イスラエルで読まなければ分からなかった聖書。
来年2月から東京で毎月講座を開催します。
「聖書に学ぶやまとのこころ」10回
「月刊ザ・フナイ」11月号で告知が始まります。
宗教を超えた福音伝道、とても楽しみなのです。

  

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