赤塚高仁 物語

4.ハウスメーカーの下請けに

営業の嫌いな父は、ハウスメーカーの下請け工務店の道を選ぶ。
太平住宅というハウスメーカーの専属の工務店となった。
もともと好きで住宅業界に入ったわけでない父は、家では常にメーカーの不平不満を口にした。
客の悪口を言った。
世の中はつらいもの、世間は厳しい、仕事は大変だ。
繰り返し聞かされるうちに、高仁は大人にはなりたくないものだと思った。
環境は、影響を与える。

温厚で人当たりのいい、いい人を演じることはストレスの溜まることである。
外では、仏さまのように言われる次良も家では仏頂面。
気が短く、怒り、怒りにまかせて息子を殴る。家の中では、外面と違う。
外ヅラは良いが、内弁慶な赤塚高仁の性格は、父の遺伝子に影響を受けているのかも知れない。
それでも、売春婦のように、「生きていくためには仕方がないじゃないの」と自分を慰めながらも仕事は、恵まれ続けた。
そんな、時代であったようだ。

PAGE TOP