赤塚高仁ブログ「これでいいのだ!」

さよならは、出逢いの始まり

2012年01月26日

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大好きな人との別れ
それは、つらく淋しいものです

ずっと昔、子供のころからワシがあこがれ続けたヒーロー
プロレスラー上田馬之助
... 20年ほど前、縁あって出逢わせてもらい
強さと優しさのカタマリの馬さんに心底惚れた。
試合で近くに来た時は、必ず我が家を訪ねてくれた。
いつもお土産を持って。

正義の味方が存在するためには、光を輝かせる「闇」が必要なのだ。
悪役のお陰でヒーローは成り立つ。
ヒーローを光らせるヒール、悪役になることを選択した馬さん。
力道山の弟子であった馬さんのプロレスの実力はすごかった。
その強さに裏付けられた馬さんの悪役ぶりは凄まじかった。
しかも、パートナーのタイガージェットシンとの反則技は恐ろしく、
世界で最も凶暴なタッグチームだった。

でも、リングを降りるとこれほどの気配りができる人を見たことがないと思わされる暖かな優しい人だった。

15年前に試合移動中の馬さんは、高速道路で後続車に追突された。
助手席に乗っていた馬さんはたまたまシートベルトを外していたため、フロントガラスを突き破り20メートル近く投げ出された。
とっさに受け身をとっていたため、頭は守られたものの頚椎損傷。
首から下は全く動かなくなった。
運転していた若いスタッフは即死だった。
寝たきり、車いす生活を余儀なくされた馬さん。
動けないということは、どんなに辛かったことでしょう。
事故直後にお見舞いに行ったら「動かないのにずっと痛いんだ」と
試合でどんなに出血しても、泣き言一つ言ったことのない馬さんがそう言った。
 
 戦う相手と場所は変わっても、やっぱり馬さんは強かった。
ワシが腰痛でひと月寝てる時、電話をくれた馬さん。
「体は大事にせんといかんよ、アカツカさん」・・・泣けた。

痛みのない世界で、自由に動く体を取り戻し、またあの暖かな優しい笑顔で待っていて欲しい